<前回からの続き>
続いては「4.デジカメ本体がコンパクトでグリップしやすいこと」です。
顔面騎乗シーンの撮影は通常のカメラ撮影とは異なり、レンズを自分の方に向けて左手でカメラをグリップし、左手親指でシャッターボタンを押す、という撮影スタイル。
だからカメラ本体がコンパクトであることが、とりもなおさず重要。
実は大型の一眼レフカメラであれば、前回まで書いた3つの条件「バリアングル液晶・広角レンズ・ワイヤレスリモコン」を全てクリアする機種が多いのです。
でも一眼レフはとにかくデカくて重い! だから左手だけでカメラを持ってパシャパシャ撮るのはかなり重労働なんです。軽くてコンパクトなカメラじゃないと現実的でない。
またグリップしやすい形状であることも大事。顔に座られ視界が閉ざされているので手の感覚だけでレンズの向きを決める必要があります。この場合、きちんとグリップできる形状であれば、かなり正確にレンズを被写体に向けることができるわけです。
スマホのように薄っぺらい形状で、シャッターボタンも小さいカメラで撮るのはまずもって不可能なんです。
最近はコンパクトでグリップしやすいデザインの高級デジカメが増えてきましたし、一眼レフもミラーレスの登場によりコンパクトな機種が増えてきました。
そのため、この「コンパクトでグリップしやすい」という条件をクリアするカメラの選択肢は少なくありません。
最後は「5.手ぶれ防止機能があること」。
繰り返しになりますが、手持ち撮影の場合左手でカメラを持ち左手の親指でシャッターをきるという不安定な撮り方なので非常にぶれやすい。だから手ぶれ防止機能はあった方が良いですね。
以上が顔面騎乗シーンを撮影するのに適したカメラの5つの条件です。今一度まとめると次の通り。
- レンズとモニターを同じ方向に向けられること
- レンズの広角側が広いこと(できれば24mm~)
- シンプルなワイヤレスリモコンでシャッターを切れること
- デジカメ本体がコンパクトでグリップしやすいこと
- 手ぶれ防止機能があること
この5つは優先順位の高いものから並んでいます。
私は何年にもわたり、日本で一般向けに販売されているあらゆるデジカメ機種をこの5つの観点から見ているのですが、残念ながらこれらの条件をすべて満たしたカメラをいまだかつて見たことがない。
特に最近は3のシンプルなワイヤレスリモコンが絶滅の危機に瀕していることから、今後もこれら条件をすべて満たす理想のカメラが現れる可能性は低いと思います。これほどまでに自撮りがブームになっているにもかかわらず・・・。