<前回からの続き>
NHKの昔の番組「連想ゲーム」(ご存じの方は私と同世代ですな)。
白組キャプテンの加藤芳郎さんが「顔面」とヒントを出せば、回答者の私は間髪を入れず「騎乗おぉーっ!!」と答える。
そんな光景が頭に浮かぶぐらい、当時の私は“顔面騎乗”という言葉や概念に捉われ、顔面騎乗のすべてを求めてやまない状態でした。だからもう!とにかく一刻も早く顔面騎乗を体験したくてしょうがなかった。
ゆえに社会人になり自分で収入を得るようになった私は、女性に顔に座ってもらうべくSMクラブに行くことにしたんです。
当時(1990年代初頭)はネットなんて便利ツールは無かったので、SM誌やスポーツ新聞の広告を丹念に調べ、複数の店を検討した結果、天満の夢楽園にターゲットを絞りました。
そしていよいよ訪問当日。店に電話して駅からの道順を尋ねます。その店は、天満駅を降りて商店街を少し歩いて抜けた先のマンションにありました。
受付はマンション一室のリビングルーム。年配のオジサンが店のシステムを丁寧に教えてくれます。私はMプレイ70分コースを選び、2万円の料金を払い、アルバムで女性を選びました。そして同じマンション内の別のフロアにあるプレイルームに向かいます。
そのマンションは確か5階建てぐらいの小規模なものでしたが、どうやらすべての部屋が夢楽園のものだったようです。マンションの廊下やエレベーターホールで、女王様然とした女性と何度かすれ違いました。
プレイルームに入ると既に女王様が待機。そこで生まれて初めてのMプレイを体験します。そのくだりは「初めてのSMクラブ訪問」に書いた通りで、女王様へのご挨拶(土下座)を強要されたり、縛られたり、意味不明の罵倒による言葉責めを受けたり、とさんざんなもの。
肝心の顔面騎乗も中途半端な座り方のうえ、強烈な異臭で完全にノックアウト! その後しばらくは到底SMクラブに足を運ぶことができないほどの深手を負いました。
これが夢楽園での“地獄”。
その衝撃的なSMクラブデビューから1年が経過した頃、私は再度、夢楽園を訪問します。再訪までの間も、募るばかりの顔面騎乗願望と初回プレイのトラウマとの間で、激しい葛藤に揺れ動いていたのですが、顔に座られたいという思いがついにトラウマに打ち勝ったんです。
どうせ行くなら別の店ではなく夢楽園に行こう!と思いました。お店自体は悪くないし、受付のオジサンがとにかくフレンドリーで安心できた。ということで夢楽園を再訪し、初回とは別の女性を指名します。
そのプレイでハマりました。
その時のプレイ相手の女性はあまり女王様然としておらず、少しギャル系のテイストが入った可愛らしい女の子。白い下着姿でソファに座っています。
私が恐る恐る「顔面騎乗して欲しいんです」と申し出ると、彼女は「じゃそこに頭を乗せてみて」とソファの座面を指差します。私がそこに顔を上向きにして頭を乗せると、彼女はいきなり私の顔にまたがってペタンと座りこみました。
突然の出来事に驚いた私ですが、白いパンティ越しの柔らかい股間に顔を塞がれ、甘い匂いを鼻孔に感じたとき「おおおおーっ!ついに長年の願望がかなったゾ!」と感慨を覚えました。
その後も体勢を変えながら、プレイ時間いっぱい顔面騎乗を堪能。私はSMクラブでの2回目のプレイで、長年憧れていた夢のような顔面騎乗プレイを体験します。
これが夢楽園での“天国”。
この日以来、私は夢楽園に通いつめることになりました。お目当てはもちろんその女性。でも彼女はその後間もなく店を辞めてしまい、結局2回しかプレイできなかったんです。
やむなく他の在籍女性を片っ端から指名してプレイを繰り返しますが、どうもうまくいかない。他の女王様はプレイの中でご挨拶やら言葉責めやらを一通りこなさないと気が済まないようでした。
そして顔面騎乗にはなぜか一様に消極的。
「顔面騎乗はご褒美なんだから、そんな簡単にはしてあげられないわよっ!」みたいなことをよく言われました。
私にしてみれば「なんでやねんっ!? プレイメニューにちゃんと顔面騎乗て書いとるやんけ! ケチケチすんなっ!」という感じ。もちろん心の中で思うだけで口にはしませんが・・・。
<次回へ続く>