<前回からの続き>
女王様専門誌のグラビアが豊富に出回るようになったおかげで、それまでのイラストの顔面騎乗シーンから写真へとステップアップしたわけですが、80年代後半に入るといよいよビデオ(動画)の登場です。
といっても自分でビデオデッキを買ってソフトを手に入れるのはまだまだ先の話で、ビデオが普及し始めた頃もっぱら利用していたのは個室ビデオ店。80年代終盤には街中に個室ビデオ店がちらほらと目につくようになってきました。
個室ビデオ店とは言わずもがなですが、見たいビデオを店内で見つけ、カウンターでお金を払い、テレビとビデオデッキが設置された1畳ほどの狭い個室に持ち込んで鑑賞するというシステム。個室という意味では今のネットカフェのハシリみたいなものです。
その個室ビデオ業界に当時「オビー」というチェーン店がありました。その店はM男モノのビデオの品ぞろえが良いことで知られており、多くのM男性がお世話になったであろう個室ビデオチェーンです。都内で展開しており、池袋、日暮里、駒込、錦糸町といった渋めのエリアに店舗がありました。
そこで見るビデオはやはりM男モノのビデオばかり。トランプ社(現「北川プロ」)の女権帝国モノや妖美マゾビデオシリーズなどさまざまなビデオ作品で顔面騎乗(しかも動いている)シーンを見ることができました。
ま、しかしながらM男モノですので、顔面騎乗よりも他のMプレイが強調されたものが多いわけです。冷え冷えとした部屋の中、マゾ奴隷が首輪でつながれ、女王様に鞭で打たれ、ローソクを垂らされ、罵声を浴びせられる、といったステレオタイプのSMシーンを延々と見せられる。まあとにかく、暗くて重苦しい場面がひたすら続くわけです。
そんなシーンは早送りでとっととすっ飛ばし、肝心の顔面騎乗シーンをじっくりと鑑賞するのですが、「まさにこれだっ!」と印象に残るシーンはなかなか見つからない。
この時代に印象に残ったものをあえて挙げるなら、トランプ社の「黄金調教」かな。これはいわゆるスカトロもので、M奴隷の顔の上に女王様がウンチをひねり出すというスゴイ内容です。
私はさすがにスカトロシーンはまったくムリなんですが、その前後のシーンに主演の北川繚子さんが下着姿で艶めかしくM奴隷の顔に座る場面があり、それに魅せられてしまいました。
M奴隷に無意味な罵声を浴びせることなく淡々と顔面騎乗し、感じているためなのか艶めかしい表情を見せる瞬間もありました。その表情を見て下半身がうずいたことを覚えています。
<次回へ続く>