<前回からの続き>
いよいよ恵理子さんとの約束の当日。午前中、羽田空港から飛行機に乗り込もうとすると、彼女からメールが届きます。
「今日はとても緊張していますが、よろしくお願いします。予定通り待ち合わせ場所でお待ちしています。」
私からは、これから機内に向かうことを告げました。
福岡までの約1時間半のフライトが、期待と緊張のためかとても長く感じられます。本を読んでもなかなか頭に入ってこない。
そんなモヤモヤとした時間を過ごしているうちに飛行機は福岡空港に着陸しました。飛行機を降りた私は早速恵理子さんに到着を告げ、そのままタクシーに乗り込んで待ち合わせ場所に向かいます。
市内中心部にあるホテルのロビーで会う約束です。恵理子さんは既に到着して、ラウンジでお茶を飲んでいるとのことでした。
福岡市は空港から町の中心部まで近いので、タクシーは目的地にあっという間に到着するはずなのですが、私には普通の信号待ちですら途方も無く長い時間に感じられました。
「むむー、早く青になれ青になれ~。まだかー?まだかー?」と・・・。
そうこうするうちにようやく目的のホテルに到着。ロビーに入って中を見渡すと、オープンラウンジが目に留まります。
おそらくここだろうとあたりをつけて入ってみると、あらかじめ聞いていた緑色のカーディガンを着た女性の後姿が目に飛び込んできました。
その女性は入り口に背を向けていたので私の位置からは顔が見えませんが、写真で見たとおり長身で髪の長い人。他にそれらしい人はいなかったのであの女性に間違いないでしょう。
彼女は電話で誰かと話していたので、まだ私には気づいてないようです。なぜか私はそろりそろりと忍び足で後ろからその女性に近づきました。
事前に送ってもらった写真には顔は写っていませんでしたのでかなりドキドキものでしたが、意を決して女性の座っているテーブルの前に立ちはだかります。
そして電話中の彼女にペコリと頭を下げました。するとその女性は私に気づき、電話をしながら会釈を返して、そそくさと電話をきります。お互いに改めて初対面の挨拶を交わしました。
恵理子さんは写真の通り長身かつグラマラスで、大きな瞳に表情豊かな美しい大人の女性! こんな人に会えるなんて、福岡までやってきた甲斐があります。
既にメールでかなりきわどいエロめのやりとりを交わしていたのですが、別に気恥ずかしいということもなく、普通に礼儀正しく初対面の会話を交わします。
私たちはホテルのラウンジでお茶を飲みながらいろんな話をしました。もう随分とメールをやりとりしたので既に旧知の間柄のような感覚。30分ほど楽しく話しこんだ後「では、そろそろ・・・」とホテルに向かいます。
<次回へ続く>
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