<前回からの続き>
東京に移って間もない90年代半ば頃、池袋北口のSMクラブMやM性感店Rにて、相次いで恐ろしい事態に遭遇した私。
そんなひどい目に遭っても時間が経つと再び顔騎虫が顔の表面でムズムズと騒ぎ出します。「女の人に顔に座られたいよ~」と・・・。
ちゅうことでSM誌や風俗誌で調査のうえ今度は六本木の“ABC”というSMクラブに狙いを定めます。
実はこの店は、以前から気になっていた店。M専クラブ(女王様とのMプレイ専門)ではあるものの広告の表現がソフトな感じで、在籍女性は魅力的な人が多そうな雰囲気。本格的なM専クラブの多い六本木においては比較的敷居が低そうな店です。
そのABCの在籍女王様の中でひとり気になる人がいました。それが、リラさんという女性。
端的に言うと、外見が私の好みのタイプだったんですなー。可愛いというよりは大人っぽい美人という感じで、表現は難しいのですが女教師的なやや固めの印象。見た目は落ち着いた大人の女性といった雰囲気です。
過去の記事に書いた「ある美しき大人の女性」シリーズの真衣さんと同じタイプで、付き合いたい女性というよりは、顔面騎乗されたい女性の典型的な一類型。あくまでも私にとって、ですが。
池袋北口での恐怖体験で心に傷を負った私は、この魅力的な女性に顔面騎乗されて癒されたい、と強く思いました。ということで早速お店に電話してリラさんとのプレイを予約。
当日、六本木駅に着いた私は、店に電話して駅からの道順を確認。何度も聞き返すハメにならないよう、しっかりと道順を頭に叩き込みました。そして予約した時刻の10分前には、店が入ってるマンションの前に到着。
当時はまだ六本木界隈の土地勘がまるでなかった私。駅から指定された道順を忠実にたどりなんとか到着できたので、今では店がどこにあったのかさっぱりわかりません。
おそらく外苑東通りから少し坂をくだったあたりのマンションが立ち並ぶ静かな通り沿いに店があったと思います。
さて、SMクラブABCが入るマンションの前に到着した私。そのやや古ぼけた外観の建物を見ると、池袋北口での苦い記憶がよみがえります。
「池袋の店も確かこんな建物だったなぁ。ああ、また受付でコワい目にあったらどうしよ・・・」
そう考えただけで恐怖のあまり体が硬直し、動くことができない。受付に向かうためにマンションに入ろうとしても、体が言うことを聞いてくれないのです。
この時初めて、あの池袋北口での恐怖体験、特にM性感店Rの店員によるエレベータ内での暴挙が私の心に大きな傷跡を残していることに気づきました。(詳しくは「風俗店で危機一髪」シリーズ)
その、体の奥底からじんわりとにじみ出てくる恐怖感に縛られ、どうにもこうにもマンションのエントランスをくぐることができない。そうしてしばらくは立ち尽くすばかりだったのですが、予約時間は刻々と迫ってきます。
もう帰ろうかとも思いましたが「今から行きまーす」とつい先ほど店に電話したばかり。その直後にドタキャンというのはさすがにありえない。嫌がる自分の体をなんとかなだめすかしてマンションに入り、受付のある部屋に向かいます。
受付の部屋に無理矢理飛び込んでみると、中は思いのほか小綺麗で悪い雰囲気ではありません。しかも受付は女性でしたのでこれまたひと安心。
「パンチパーマのいかついオジサンが出てきたらどないしょ~」とビクついていた私はほっと胸をなでおろします。
受付を済ませシャワーも済ませてプレイルームに入った私。しばらく待っていると念願のリラさんが現れます。広告の写真の通り大人っぽくてかっちりとした雰囲気の美しい女王様です。
といっても実は肝心のプレイについては、それほど印象に残るものではありませんでした。
いつものように私が「顔面騎乗をぜひぜひお願いしまーす!」と伝えたのですが、やはり最初から顔に座ってもらえたわけではない。他のSMクラブと同様、お約束のちょっとしたMプレイのあと顔面騎乗タイムという流れです。
ご挨拶とか鞭・ローソクは勘弁してもらえましたが、時間いっぱい官能的な顔面騎乗を堪能!というプレイではなかったですね、残念ながら。
当時の私の印象としては「さほど顔面騎乗に積極的ではないし、顔に座り慣れている感じでもなかったなー」というもの。もちろん個人的な感想なので実際どうだったか知りませんが。
その後リラさんは「朝之リラ」という名前で北川プロ等のMビデオに女王様役として出演するようになります。その時のキャッチフレーズは「顔面騎乗の女王」みたいな感じで、豊満なお尻を武器にM男の顔を覆いつくす、みたいなフィーチャーでした。
それを見た私は「あの時、顔面騎乗で悶えまくってたオレの様子を見て『ヨッシャー、この路線で行こう!』と思いついたんかなー?」などと勝手に想像しています。(違ってたらスンマセン、というか違いますよね?きっと・・・)
<次回へ続く>
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