香りの功罪(1)

座られる立場、つまり男性側にとって、顔面騎乗の楽しさを構成する要素はさまざまです。
顔に感じる柔らかい感触や心地よい圧迫感、そして鼻腔をくすぐる甘い香りや下から見上げる刺激的なアングルなどのフィジカルなものから、日常と非日常が入り混じったエキサイティングなコミュニケーションといったメンタルなものまで、さまざまな要素が顔面騎乗の魅力を構成します。

これらの要素の中で、私は「香り」というものが、顔面騎乗においてはとりわけ重要な位置づけを占めるものと考えています。ここでいう香りとは、顔に座られたときに感じる女性の体臭にほかなりません。もっとあけすけに言ってしまえば、女性の股間の匂いというわけですな。

股間には排泄器官が配置されていますので、普通に考えれば良い香りとは言いがたい部位のはずです。
ところが、それと同時に股間には生殖器官(要するに「アソコ」)もありますので、これまた普通に考えれば男の本能を刺激する芳香を発する部位でもあろう、というわけです。

顔面騎乗という行為は、このように臭気と芳香をそれぞれ発する器官が隣接して配置されている女性の股間を、顔(というか鼻)の上に乗っけるわけですから、香りというものが極めて重要な要素にならざるを得ません。香りがプレイの良し悪しを大きく左右する、といっても過言ではないでしょう。

では、どのような香りが良いプレイを生むか、ですが、これは人それぞれの好みによりますので、一概に論ずることは極めて難しいところです。意外にも、というべきか、キツイ臭いがお好みという匂いフェチの男性が、実は思いのほか数多く存在するようなのです。このような方々に言わせると、「石鹸の甘い香りなんて全然モノ足りーん!」ということらしいです。いや、スゴイですね。

私の好みは、いたってノーマル(?)というべきか、いつも「甘い香り」と表現しているような芳香が大好きでっす。
具体的には、石鹸やボディシャンプーと、その女性の香りが入り混じったような香りでしょうか。要するに風呂上りの清潔な状態での香りが好きなのです。
もっとマニアックなことを言えば、シャワー後1〜2時間程度経過したぐらいが最も「イイ感じィ」なのですが、まあそれにはさほどこだわりません。
いずれにせよ、甘い香りが柔らかく鼻腔をくすぐることによって、アロマテラピーのような癒やしの効果を引き出し、ファンタジックな世界を彷徨えることが、私にとって顔面騎乗の最大の魅力なのです。

私がこれまでプレイした、レポートコーナーに登場するような女性は、皆それぞれに独特の素晴らしい香りの持ち主ばかりです。一様に「甘い香り」と表現していますが、実際の香りはいずれも個性的で、私は「彼女なら目隠しして顔面騎乗されても匂いでわかるゾ!」という女性が何人も思い浮かべられます。(←そんなこと自慢してどうする!)

一方で、匂いが気になってしまい、興ざめしてプレイを楽しむことができなくなった経験もありました。
別に潔癖症というわけでもないのですが、不快な匂いを感じると、なんだか自分の顔がぞんざいに扱われているような、一種のもの悲しさを覚え、急速に気持ちが萎えてくるのです。それはもうファンタジーぶち壊し!ぐらいの破壊力です。

でも、事前にシャワーを浴びて清潔な体になってからプレイに臨めば、普通は「不快な匂い」を感じることもないはずです。にもかかわらず、どういうわけか、この「匂い」に悩まされることがたまにあるのです。それは一体どうしてなのでしょうか?
私は、この「匂い問題」にはふたつの要因があると考えています。ひとつは「感性の問題」、もうひとつは「体質の問題」です。

「感性の問題」とは、つまりこういうことです。
これから顔面騎乗プレイを始めようというときに、女性としてはやはり匂いが気になるものと思われます。もし長時間入浴していなければ、「このままプレイに入ると(匂いが)ヤバイかも?」と、まあ普通は考えるでしょう。
そのときに「相手にヘンな匂いを嗅がれるのは恥ずかしくて絶対イヤだ!」と思うか、あるいは、「ま、いっか!」と思うか、それとも、なあ〜んにも思わないかは、まさにその人の「感性の問題」です。
ごく一般的な感性の持ち主ならば自然とシャワーに向かうでしょうし、そうでない場合は、まあそのままプレイに入るというわけですな。

しかぁし!!! このときの行動だけでその人の感性を決めつけるわけにはいきません。
前述しました通り、世の顔面騎乗愛好家の中には、長時間入浴していない状態の「ナチュラルな(?)匂い」を好む方々も結構多いのです。そして、そのことを知っている女性もどうやら少なくないようです。
従って、顔面騎乗プレイ前に「あえてシャワーを浴びないという感性」も存在するわけです。私にしてみれば迷惑極まりない話ですが、多様な感性の存在は認めざるをえません。

私自身はいわゆる「ナチュラルな匂い」を好みませんが、だからといってプレイ直前に必ずシャワーを浴びて欲しいというわけでもありません。なぜなら、比較的長時間入浴していなくても、ヤな匂いを発することなく、甘い香りを持続させられるという素晴らしい体質の持ち主も少なからずいるからです。このような場合は、事前のシャワーなど必要ありません。

でも、そのような体質でない場合や、入浴後極めて長時間経過している場合などは、シャワー抜きだとまず間違いなく匂いに悩まされてしまいます。こうなると、もう癒やしどころではありません。なんともストレスが溜まる一方ですねー。そんなとき私は、お尻の下でひっそりとブルーになってます..。

この状況に陥りがちなのは、ずばり!女王様専門SMクラブの美人でお高くとまった女性が相手の場合です。要するに客に向かって「女王様とお呼び!」みたいなことを、ぬけぬけと言っちゃうような人たちですな。
彼女たちのメンタリティは私には到底理解不能ですが、もしかすると「美貌の女王様である私の匂いが臭いなんてことがあるはずないわっ!」ぐらいの勢いかもしれません。

確かに、そのテの人たちはすこぶる美人が多いですし、少々不快でも我慢すっか、という考え方も無くはありません。ただ彼女たちは、プレイ用のコスチュームがラバーやレザー等のボンデージだったりで、下着もそれに合わせた専用のものを頻繁に使い回しているためか、結構強烈だったりするんです、これが...。(ひえーっ!)

過去に何度も痛い目(臭い目?)に遭ってきたので、私はボンデージ系美人女王様とのプレイは慎重に避けています。たまに、お高くとまった(風の)美人女王様ばかり集めたクラブを見かけますが、そこに遊びに行こうとは思いません。お店のサイトを見ると、驚くほど見目麗しき女性を多数抱えているのですが、それがまた、そろいもそろってクサマンだらけかと思うとゾッとしますねー。(思いっきり偏見です。スンマセン。)
おまけにお高くとまっているものですから、座り方もぞんざいです。痛いしクサいしで、もうやってられまへんわ!
顔面騎乗の嗜好が私と近い男性には、このテのクラブはオススメできませんなー。

<以下 次号に続きます>


Happy Facesitting Column21