<前回からの続き>
ネットが無かった時代、顔面騎乗シーンを見つけるのは困難を極めてました。
SM雑誌の中でちょこーっとだけ顔(の周辺)にお尻を乗っけている中途半端な写真を見つけるまでに、おそろしげなSMシーンを延々と見せられるハメになるんです。
おかげで私はすっかりSMぎらいになってしまった。
でも顔面騎乗シーンを求める気持ちが止むことはありません。結局はSM雑誌や写真集にいやいやながら手が伸びてしまいます。
その葛藤を繰り返す中で私は、顔面騎乗のとりこになっている自分への罪悪感を深めていきました。
「そもそも女の人に顔に座られたいって何だよ! そのヘンテコリンな欲望は? それって変態じゃないか? オレのバカーッ!」と、ひとり思い悩んで苦しんできたのです。
SMが好きならまだしも良かった。SM雑誌やビデオは世にあふれていましたので、同好の仲間は少なくないでしょう。それなりに所属感を持てたかもしれない。
ところが私は顔面騎乗だけ!ピンポイントで大好き、それ以外のSM要素はほとんど無理っ!という体たらく。それだとあまりにも中途半端すぎて身の置き場がありません。
「だったら顔面騎乗が好きではなく、もっと普通の性癖でいいじゃないか! なんでそんなに中途半端なの? オレのバカーッ!」
自分はノーマル世界とSM世界のいずれにも属することのできない、まるでコウモリのような孤独な存在と思えました。
今思えば大げさですが、当時は世界の中で自分ひとりがヘンタイ、自分以外は皆(ある意味)ノーマル、と本気で思っていたんです。
だから当時付き合っていた彼女にも「顔に座って欲しい」なんて口が裂けても言えなかった。言えば間違いなくドン引きされてソッコーでふられる、と頑なに信じていたのです。
でも、だからこそ顔面騎乗を求める気持ちは強烈にかき立てられるばかり。どうしても体験したかった!
「結局、顔面騎乗を体験するにはSMクラブに行くしかないんかなー。でも行くと鞭とかローソクとかやられるんだろなー。それだけはやだな~」
そんなことをぐるぐると考えるばかりでした。

顔面騎乗に出会う⑤ – 顔騎好きが恥ずかしい!
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