<前回からの続き>
六本木SMクラブ“ABC”の受付に行くためマンションに入ろうとしたところ、恐怖体験を思い出して体が動かなかった、という思いがけない現象。
この時起きたことの影響は自分にとって小さくありませんでした。このままSMクラブ活動を続けるといずれもっと破滅的な事態に遭遇するのではないか?との予感が頭をよぎります。
思い返せばそれまでいろいろと店を変えて相手も変えて顔面騎乗プレイにトライしましたが、プレイそのものに満足できたことはほとんど無かった。
過去のプレイで本当に満足できたのは大阪のSMクラブ“夢楽園”でのギャルっぽい女王様との2回のプレイだけ。最初から最後まで顔面騎乗オンリーで柔らかいお尻の感触と甘い香りに癒されたのは彼女とのプレイだけでした。
あとは程度の差はあれ、どれもこれも満足できるものではなかった。1回のプレイに2万円もの大金を投じたにもかかわらず理想とする顔面騎乗を体験できない。
挙句の果てにはエレベータ内でイカツイお兄さん方に囲まれたり、店員に蹴っ飛ばされそうになる始末。一体オレは何やってんだろ? 親が見たら泣くやろな~。
きっとそのタイミングが私にとって “顔面騎乗を体験するためのSMクラブ活動”から撤退する潮時だったのでしょう。おそらくその時期に新しい店を探しても、受付に入る前に恐怖で体が硬直するという現象に悩まされるだけだったと思います。
実は六本木SMクラブ“ABC”のあと、もう一軒行こうとしてたんです。それは代々木のSMクラブ“シュガー”なるお店。
広告を見ると「あまい女王様」(だから“シュガー”か?)というキャッチコピーが書かれており、Mプレイでも厳しく調教されることはないというフレコミでした。
ここならもしかすると「顔面騎乗だけっ!お願いしまーす」というエゴマゾ的要望も聞いてもらえるかもしれん。そう思い店に電話して道順を尋ね、店の入ったビルの近くにたどり着きます。
もう20年も前の話なのでやはり場所がどこだったのか今では全くわかりませんが、おそらく明治通り沿いあたりだったかと思います。
通りの反対側からそのビルをじっと見つめる私。あまい女王様のいるSMクラブ“シュガー”に「入ろかな?どうしょかな?」と逡巡します。
今度こそはイメージ通りの顔面騎乗体験ができるかもしれない。
なにしろ“あまい女王様”ですから「顔面騎乗は責めに耐えたご褒美よっ!」なんてケチくさいこと言わず、気前よくバシーっと顔に座ってくれるような気がします。
それにこの“シュガー”なる店は当時名店との評判だったSMクラブ“コルドンブルー”の系列店でもありました。だから変な店ではないはず。
でも、あれだけ高い評価を得ていた池袋M性感Rでさえ店員はチンピラみたいな連中だった。そして当時から高名な老舗SMクラブだった池袋北口Mでさえも受付のオジサンはコワ過ぎた。
だから初めての店で何が起きるかなんて行ってみないとわからない。まともな店員がいる受付かどうかを事前に予測することは不可能だったんです。今では到底考えられませんが・・・。
結局その時、私はSMクラブ“シュガー”の入る建物を大通りの反対側から30分以上も眺めた結果、店に入ることなくその場を後にしたんです。やはり店の受付に入ろうとすると体が硬直しそうで入ることができなかった。
「顔面騎乗されたい」という幼い頃からの願望がついに恐怖心に打ち負かされてしまった瞬間です。このとき私はSMクラブでの顔面騎乗プレイ活動から完全撤退することを決意しました。
こうして1990年代初頭からの5年にわたる私の第1期SMクラブ遍歴は幕を下ろします。
実はその2年後に第2期SMクラブ遍歴がスタートするのですが、そのくだりはまた後日書きたいと思います。(お楽しみに)
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