<前回からの続き>
顔面騎乗シーンを求めて個室ビデオ店オビーに入り浸り、しょっちゅうMビデオを漁っていた私。それだけでは飽き足らずMビデオを専門に販売するショップにも出入りするようになります。
大阪時代は近鉄布施駅という繁華街から離れた場所に店を構える「スウェーデン」というショップによく足を運びました。
店内はさほど広くありませんが、壁の棚一面にズラリとMビデオが並んでいます。トランプ社(現「北川プロ」)や妖美マゾシリーズ以外にも、この店のオリジナルMビデオのラインナップがそろっており、マニア垂涎の品ぞろえ。
でも、とにかく値段が高い! どのビデオも1本2万円もするような価格でした。貧乏サラリーマンだった私にはまったくもって手も足も出まへん。いつもビデオのパッケージを物欲しげに眺めるだけで店を後にします。
東京に移ってからは新宿の「カバリエ」という店に何度か行きました。確か新宿二丁目だったと思うのですが、とある小さなビルの地下にあるアダルトショップで、やはりトランプ社等のMビデオの品ぞろえが充実。
ところが場所柄のためか、ゲイの人たち向けのビデオや雑誌が売り場の半分近くを占めており、その気(ケ)のない私はやがて店から遠ざかるようになります。
あと良く行ったのが六本木のセビアン。六本木駅を降りて溜池方面に坂を下りきったあたりに店がありました。
この店はSMクラブ(もしくはSMバー)も経営しており、所属女王様による多数のオリジナルビデオを制作・販売していました。パッケージを見ると、魅力的な女王様がM奴隷の顔に座っているシーンもあり、内容を見てみたいとの思いが高まります。
が、とにかく高い!値段が・・・。やはり1本1~2万円でした。
どんなに高くても、それまでほとんどお目にかかれなかった顔面騎乗シーンを存分に見られるのであれば投資する価値はあります。
しかしながら、いずれのビデオも通り一遍のSMシーンの後にちょっとした顔面騎乗シーンがおまけでくっついている内容だろうと容易に想像できたので、とても万単位のお金を投じる気にはなれない。
結局、六本木セビアンには何度も足を運んだものの、毎回ビデオのパッケージをためすがめつ眺めるだけで店を後にする、ということを繰り返していました。(お店の方、冷やかし客でスンマセン・・・)
ちなみにこれらのビデオショップは、いずれも「SMコレクター」や「SMスナイパー」などSM誌の広告を見て知りました。前回の「個室ビデオ店オビーに入り浸る」ようになったのも広告がきっかけ。
当時のSM誌はSM関連の広告が大変充実しており、それらは貴重な情報源でした。広告ページが雑誌全体の10~15%もの割合を占めており、広告自体が重要なコンテンツだったのです。
掲載されていた広告の大半はSMクラブ(女王様専門店が大半)、SMビデオショップ(上記の通り女王様モノのラインナップが中心)、SMビデオメーカーの新作ビデオ(女王様モノがほとんど)、中にはM奴隷志願の個人男性(ホスト?)といった変わり種の広告までありました。
割合としては女S・男M関連の広告が大半を占めていた印象。にもかかわらず、雑誌本体の中身は男S・女Mのコンテンツが9割がたを占めているという状況。
そんなアンバランスな状況を見て私は「なんかおかしくないか?!」と、いつも疑問に思ってました。
男SのコンテンツばかりのSM雑誌の広告ページは男Mばかり・・・。
この奇妙な現象は、世のSM愛好家の男性の多くが、大方の予想に反して実はM男性である、ということを暗示していたのかも? それが前々回の「女王様専門誌の隆盛」の背景にあったのではないでしょうか?
<次回へ続く>
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