M専クラブのイイ女!(2)

<前回からの続きです>

さて、決行の当日とあいなりました。
予約の際に店からは「予定時刻の1時間前までに確認の電話が欲しい」と言われていましたので、私は約束通り確認のTELをします。
そして、時間を見計らいつつ、教えられた道順に沿って店に向かいます。やがて店の入っている小さなビルの1Fに到着しました。都内某駅から歩いて5分程度の場所です。

SMクラブに行くのは慣れているとはいえ、やはり初めての店を訪れるのは少々緊張します。店のドアの前に立った私は、軽い緊張感を覚えながらチャイムを押します。するとドアが開き、中から随分といかついお兄さんが現れました。
「コエ〜ッ!」とチビリそうになりながらも、私はおずおずと部屋の中に入ります。ま、普通に振舞っていれば、とって食われることはないでしょう。

受付の部屋の中を見渡すと、何やら雑然としており印象はイマイチです。また、受付のお兄さんも服装はピシッと決まっているのですが、ちょっとコワいし、あまり笑顔はないし、なんといいますか慇懃無礼といった印象です。
システムの説明や受付のやりとりは丁寧かつスムーズに運びましたので別に文句は無いのですが、もう少し居心地の良い雰囲気にすれば良いのにな〜と感じないでもありません。でもまあ店(受付)の雰囲気はどうでもいいでしょう。私の目的は美奈さんのみです。

料金精算が終わると、受付のお兄さんはプレイカルテなる一枚の紙を私に手渡し、記入するように言います。その紙を見ると、「鞭・ローソク・アナル・・・・」と、ひととおりのMプレイのメニューがずらずらずらーっと記載されており、それぞれについてOKかNGかを記入しなさい、といったものでした。
私は過去にも別の店でこのようなプレイカルテを書かされたことがあるのですが、どうもこのシステムは苦手です。このようなカルテを私が書くと、顔面騎乗はOKで、その他のプレイはすべてNGと書かざるを得ません。すると、そのカルテをプレイ前に見た女王様に「なんだコイツは? もしかしてエゴマゾ?」との先入観を与えてしまいます。この先入観を払拭するのが結構大変なのです。
そんな失敗談があったので、今回はかなり慎重に記入しました。「顔面騎乗」にOKをつけて、その他無難なプレイにもいくつかOKをつけ、NGプレイは特につけませんでした。結局は口頭で説明すれば良いのです。

カルテを記入し終わった私は、しばらく待合室で待たされた後、提携ルームに向かうよう地図を渡されました。ようやく開放された私は、受付を後にしてルームに向かいます。美奈さんはすでにルームで待機しているとのことで、いよいよご対面の瞬間が近づいてきました。

ルームに到着した私は、ドアの前に立ち、相変わらず緊張したままチャイムを押します。
すると、しばらくの間をおいてドアが開きます。中から現れた美しい女性は、無言のまま私を部屋の中に招き入れました。私はドアを後ろ手で閉じ、改めて女性の顔をまじまじと眺めます。それは、これまで何度も写真で見た美奈さんの生の姿です。なんとも不思議な感慨が私を襲いました。

彼女は、写真通りの美しい顔立ちにスレンダーな肢体の持ち主です。上下とも黒のコスチュームで、スカートからはすらりとした美しい脚が姿を見せています。そして微笑を浮かべながらも、やや緊張気味かな?と思えるような固い表情でした。やはり初めての客を迎え入れるからなのでしょうか?
私は私で、サイトで何度も写真を見た女性が目の前に佇んでいるがゆえの期待と緊張が交錯したような複雑な心境でした。

とりあえず私達はルームに入り、椅子に腰掛けて、まずは初対面の挨拶です。
その後しばらくは、とりとめのない雑談を交わします。この雑談は、初めてのプレイ相手の人柄について感触をつかむための、言わば儀式のようなものでしょうか。言葉の応酬を通じて美奈さんの様子を探りながら、私自身の人となりをそれとなく彼女に伝えていきます。

そうやって、多少なりとも打ち解けた雰囲気になってから、プレイの打ち合わせを始めます。
美奈さんは、すでに私の書いたカルテを手元に持っていました。どうやら私が移動中に受付からルームにFAXで送られた模様です。そのカルテをもとに、打ち合わせです。

まずは私から自分の願望についての説明を始めました。
「自分はMではなくフェチなので、鞭・ローソクやご挨拶などのMプレイは苦手。昔から顔面騎乗が大好きで,、これまで顔面騎乗オンリーのプレイを何度も経験してきた。今日もそんなプレイをしたいと思っている。」と、まずはストレートに意向をぶつけます。
すると美奈さんは、みるみるうちに怪訝そうな表情になってきました。それは十分予測された反応です。
Mでない人間が、なぜクラブBのようなM専の店にやってきたの?ヘルスとかに行けばいいじゃん!とまあ普通はそう思うでしょう。

彼女は訝しげなまなざしで私をじーっと見つめています。その視線をピリピリ感じながら、私は説明を続行します。
「顔面騎乗だけならヘルスやイメクラでもできるんだけど、自分はそのような店があまり好きではない。
かつては顔面騎乗プレイができる場所はSMクラブしかなかったので、長年クラブばかりに行っていたこともあり、今でもそうしている。」

するとここで美奈さんから「顔面騎乗ならM性感でも出来るんじゃないの?」とのカウンターパンチが繰り出されました。
さあここからが私の正念場です。私がなぜこの店にやってきて、なぜ美奈さんを指名したか、ということを理解してもらうために、全力を注ぎ込んで説明しなければなりません。
「確かにM性感でもプレイは可能だし、自分はそのような店に行くこともある。この店(クラブB)は、むしろ自分が思うようなプレイに適した店では無いかもしれないということも十分認識している。ではなぜ私がここに来たかといえば、あなた(美奈さん)のような魅力的な女性に顔面騎乗して欲しいと思ったからだ。相手が誰でも良いというわけではない。」

そうやって私がしゃべっている間も、美奈さんは私の表情を食い入るように見つめています。まるで私がどんな人間なのかを見極めようとする鋭い目で私を見ているのです。その強い目線を湛えた表情は、まばゆいばかりの美しさでした。私は彼女の強い視線に圧倒されながらも、なんとか私自身をわかってもらおうと、懸命に説明を続けます。

やがて美奈さんは多少なりとも理解をしてくれたのか、「わかったわ。じゃあ始めましょうか。先にシャワーを浴びてきてね。」と私をシャワールームに案内してくれました。表情も先ほどまでと比べ、いくぶん柔らかくなったように見えなくもありません。
私は、ちゃんと伝わったのかどうか一抹の不安を感じながらもシャワーを浴び、体を拭いてルームに戻ってきました。
そしていよいよプレイ開始です。

<以下 次号に続きます>


Happy Facesitting report27